雁行の家

兵庫県加東市に建つ、平屋の住まい。 それぞれの部屋を少しずつずらして配置することで、 家族の気配を感じながらも、ほどよい距離感を保てるように計画しました。 この“ずれ”が、外観の特徴的なかたちをつくり、 室内に光と陰のリズムをもたらしています。 シンプルな佇まいの中に、 心地よいプライバシーと、家族のやさしいつながりを感じる住まいです。

朝は凛とした黒い箱。 夜はあたたかな光が漏れる住まい。 家は「帰る時間」によっても印象を変え、暮らしを豊かにしてくれます。

光と暮らす、ダイニング。 朝の光がそっと差し込み、 時間とともに移ろう影が、 壁や床に静かな表情を生み出してくれます。 この窓辺のベンチスペースは、 読書にも、昼寝にも、ただぼんやりするにも。 家族それぞれが、好きな時間を過ごせる場所。 必要なものを削ぎ落とした分、 「光」と「余白」が この空間を、より豊かにしてくれている気がします。

キッチンの背面収納。 一見すると壁のようにおさまりながら、 必要なときにサッと使える機能を詰め込みました。 扉を開けると現れるのは、 巧みに組み込まれた造作仏壇、たっぷりの棚。 毎日の料理や家事を、 ほんの少しだけスムーズにする工夫です。 手に触れる素材の質感も、 暮らしの中では意外と大切な要素。 やわらかく、静かに、空間に馴染む佇まいを目指しました。


