一人暮らしとなった施主の母が住んでいる既存の木造住宅を解体し、その場所に新しく2世帯で生活できる場所。
敷地の形が間口が狭く奥行の長い形状である為、既存の建物では一階部分に光がほとんど入らず、昼間でも電気を付けて生活している状況でした。
それらを改善した明るい家をつくって欲しいとの要望をいただきました。
2世帯住宅を設計するにあったって、一つの建物内に出入口の異る2邸の家をつくる。という手法がよくとられている。しかし、この家ではまったく別の生活ではなく、2世帯それぞれが離れすぎず、近すぎない、適度な距離を保ちながら快適に生活できる家をつくる事となった。
お互いの世帯にとって過ごしやすい場所となるよう、家族と私たちが集まり何度も打合せを重ね少しづつプランニングを進めて行きました。
階段や中庭を利用してお互いの気配は感じながらも、離れすぎず近すぎない曖昧な境界をつくり出していきました。
4階建ての建物にするにあたってどの部屋にいても日の光を導き入れる事ができるように中心部分に中庭を設け、その中庭を取り囲むように各部屋を配置している。
建物の内部と外部に御影錆石をふんだんに使用し、2家族の成長とともに経年変化を感じる事のデザインとなっています。